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2011年12月31日土曜日

1年の締めくくり 今年できたことを振り返り

今年できたことを振り返ると去年より多くの経験をさせてもらいました。
・先進医療の立ち上げ    11/07/12の記事
・院内ホームページに載る
・受託研究として研究費の獲得 11/07/03の記事
・ある海外企業との交渉締結 ついでにキーオピニオンリーダーになる 11/08/01の記事
・英語論文掲載(11本目) 11/08/09の記事
・院内広報誌に載る
・招待講演
・病院で初めての手術実施 11/10/19の記事
・民間研究財団からの研究助成 11/10/15の記事
・コメディカルの研究指導
・レジデントの臨床指導 11/12/21の記事

などです。来年も新しいことにチャレンジしていく予定でおります。
が、目下年末ぎりぎりの仕事は、大掃除でもなく、年始の準備でもなく
研究所の年度末決算の準備です。

2011年12月21日水曜日

レジデント先生に執刀をまかせ、自分はスーパーバイズする

 今月自分の一番専門にしている分野の手術をレジデント先生に執刀してもらう経験をしました。今までも外傷の手術はさせていましたし、専門分野で言えば2つめに相当する手術はさせていました。が、今回の手術はその手術自体で術後に起こる合併症のリスクが大きく影響する手術でしたし、かつちょっとした失敗をリカバリーしにくい手術でした。関連施設でもなんとなく敷居の高い手術に位置づけられいていました。それでもさせてみようと思ったのは、自分でもうすでに100例程度経験してきたし、すこし上の立場で指導に回るという経験も必要かと考えました。術前の計画をいつも通り正確にしたことで特にトラブルなく手術は終了しました。これが、自分にもそのレジデントの先生にも糧になることを願います。

2011年12月11日日曜日

やりとりのある海外の会社からの粋な計らい

現在研究所の仕事として、ある海外の会社とやり取りがあるのですが、先日
そこから送られたものなかにチョコレートクッキーの小袋が入っていました。
なにかの間違いかと思い(緩衝材いれるときに誤ったとか)、
食べずにおいておいたのですが、次に送られたものにも入っていたのでさすがに
連絡しました。”召し上がってください”という返事でした。 そもそもこんな
ことしていいのかは別にして粋な計らいだなぁと思いました。

2011年12月4日日曜日

このブログの対象は誰か?あるビジネス本を読んで考えてしまいました。

ブログというは結局そのブログ作者の主観とか出来事を書いているに過ぎないことを改めて認識しました。感じ方は人それぞれであり、書いていることがためになる方もいれば、全くならない方もいるのだろうなと思いました。
 ときどきこのサイトの目的である破天荒をめざすためのヒントに本屋をうろつきますが、参考になるのがビジネス本といった類です。が、この種の本は往々にして単なる自己啓発の本であったりすることが多く、本当に参考になるのか、著者の教えの押し売りかで考えさせられます。
 今年前半で購入した本の中で比較的ためになった本に、「40代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則」というのがありました。自分はまだ30代の後半であり、“定年退職した人の後悔は40代の過ごし方に集中している”とか書かれてあれば興味があって読んでしまいました。1万人以上の方に成功談・失敗談を聞きまくり、そこから導き出した「後悔リスト」とその具体的な解決法を50個にまとめています。自分がよかったとおもったのは、“第1章 この10年で何より大切にしたいこと”、“第3章 忙しいだけで終わらないために工夫すること”、“第4章 人生を左右する「人付き合い」で知っておくべきこと”とかで結構参考になることが多かったのですが、アマゾンのカスタマーレビューをみると、燦々たる酷評が多く正直驚きました。自分の感情と世間一般とこんなに乖離があるのかと思いました。しかし、そのレビュー見ていくと、同年代では好感色多く、来るべき40代への準備としては良い内容ではないかと書かれてあったのです。結局のところ、読む人の置かれている状況でその記事の印象全く違ってくる気がしました。それもそのはずで、10月頃に出版された姉妹本の「30代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則」には、直面して経験してきてしまったこととかが多く、あまり共感しなかったからです。
 冒頭の質問に対する回答としては、どうでしょう、まだ自分の経験年数に至っていない先生方とかになりますか。また多く見積もっても自分より7-8年上あたりまでかもしれません。なにかの参考になればと思います。



2011年12月1日木曜日

和雑誌の特集の原稿依頼を頂きました

 先月、ある雑誌の特集の原稿依頼がありました。といっても、その特集号の企画は以前の職場の上司なので、自分の実力ではないと自覚しています。特集のあるトピックに関して、第一人者的存在として読者に説明できる機会を得ることができたのは、非常にラッキーなことかと思います。 自分の知識の整理にもなる結果自分の成長につながります。最近読み返した本に書いてあったことを引用させてもらっただけなのですが、仕事と自分の成長がポジティブなフィードバックがかけられる関係であることが大切ということがわかります。本の最初辺りに書かれてあったのを読み返したときに気づき共感しました。
下記の本です。本の中身は“研究者として仕事をすべき10の原則”の説明で、ビジネス本のような構成ですが、まとめると上述の、「仕事」⇔「自分の成長」になると思います。



 また今回のこういったイベントから考えるもう一つの気づきとしては、「医局」という体制もメリットが残っているのではないかということです。今年、医師のキャリアチェンジ(簡単に言うと転職か)についての雑誌「ジャミックジャーナル」が「DOCTOR’S CAREER Monthly」(ドクターズキャリア マンスリー)に改名・リニューアル・新創刊しましたが、そこにも初期研修医の医局離れもあったが、後期研修医が終わる段階では、それ以上のキャリア構築のために医局の再評価の時代が来ている、というような記事がありました。理想は上手に利用することだと思います。今後は「医局内」・「医局外」評価を同時に構築していく必要があると思います。

2011年11月1日火曜日

アメリカ企業からのコラボ(ないし機器売りつけ)の打診→逃がした魚大きいか

変なタイトルですいませんが、タイトルだけでなんとか内容を伝えようとしたのですが。
論文でも、学会でも、はたまたブログであってもタイトルというのは重要で、意外と中身違っていても引きつけるために過大な表現をしてしまいがち、ということはあるそうです。今回の内容、打診までだったら
そんなことになってしまうので、敢えて付けたししました。
 これも論文を出したことによる効果になるかもしれませんが、以前にPublishされた論文を読んだという内容からはじまり、そこの会社の機器の関連性をうたい、興味があればその会社のサイトを見てくれだの、議論したいだの書かれてありました。「論文をみたからうちの雑誌にも投稿してもらえないか」とか「~の学会に投稿してくれないか」というメールは時々きますが、メーカーからのメールは初めてでした。アメリカの企業でしたし、英語で書かれていたので当然無視しました。
 器械についてです。整形外科なので当然骨を扱うわけですが、臨床に結びつけるためになんらかの強度試験とかを行うことがあります。その強度試験についていちいち破壊しなくてもその機器から得られるデータで強度を求めることができるというものでした。
 興味があるが胡散臭いので無視したのですが、2週経ったとき、2週前に送っているけどどうでしょうか?という内容で、なんとなく自動作成されたメールではなさそうでしたので返事してみました。今行おうとしている研究の一つに役立ちそうだということ、そんなんにその機器は使えるのかという質問付きです。
早速次の日には返事があり、なんとなく感触のよさそうな感じでしたが、一つ問題ありました。向こうは電話でコンタクトをしたそうだったのです。アメリカですからおそらく電話するのこちらの深夜か早朝になるなぁということ、また電話ではちょっと会話でつまずくとこまるなぁと思ったので継続してメールの方が
と返事するとそれ以降は来なくなってしまいました。
 なんとなく面白いことができそうだったんですけどね。破天荒を目指すなら、英語のミニマムは国際電話会議可能レベルかもしれないと思いました。首相同士でも行われてますもんね。まだそこには到達できていません。

2011年10月19日水曜日

今まで勤務先でしたことのない手術チャレンジできますか?

 今まで勤務先でしたことのない手術に先日チャレンジしました。興味もったのは3年前ですが、
日本で全くはやっていない手術でした。海外留学の際に、共同研究先の教授に見に来る?という
誘いをうけて1週間そこの施設にお邪魔させてもらい手術を見学したときに興味を持ちました。
 でも日本ではやってないだろうと思い、ネットで検索するとチラホラ名前が出てきます。
帰国してから思い切って見学させて頂きたいという連絡すると、快諾の返事が来て行くことが
できました。が、このステップから全く状況のわからない今の勤務先でトライするというステップは
なかなか遠いと思います。従来の仕事もきっちりしながら上司の先生に信頼を得ていきながら、
新しい方向性に関心をもってもらい築いていかないといけません。
 でも思えばかなうものだと思います。結局帰国後の見学から1年ですから、比較的スムーズかと
思います。”当院初”は達成しましたが、発展させていくには5年くらいかかるかなぁと思いますが
1例ごとに丁寧に築いていこうと思います。
 この取り組みに協力して頂いた方がた、この場を借りてお礼申し上げます。

2011年10月15日土曜日

感謝感激! ひさしぶりに研究助成頂くことができました

 タイトル通りなんですけど、超うれしいです。海外に留学していたときに取り組んでいた研究の一環です。
このとき一からの出発で、まず研究先のスタッフになんでする必要があるか、から説明したものです。
結局、留学期間中のデータではモノをいうこともできず、日本語論文で一旦終了した研究でした。なんとか
継続したかったのですこし方向性を変えながら、また留学中に培った知識・ノウハウを利用して、病院勤務の合間みてすすめていたのがついに花開きました。といってもスタート地点に立っただけですけど。
 余談ですが、病院内でできる実験の準備は全て会議室を借りて行いました。会議室の名称が「多目的室」になっており文句でないだろう(!?)と思って進めておりました。骨の模型とか使用していたので、もし見られたらまずいと思い、中から鍵をかけて行いました。
 
 余談はさておき、ラッキーでした。財団のかたに陳謝いたします。

以上のように、留学での取り組み方はひとそれぞれですが、
私はものにならなくてもいろんなことに挑戦すべきではないかと思います。
またシーズ程度の段階で留学が終わってしまい、日本に帰ってから日本での第一人者っぽく
(もちろん盗用したりしてはいけませんが)発展させたほうが、
研究デザインでInitiativeもとれて良いのではないかという印象があります。


民間の財団から研究費をいただくのは実に4年ぶりです。

2011年9月14日水曜日

海外企業との契約交渉で思うこと

 前回海外企業との交渉が契約締結の話をしました。
開始からすると2年以上経っていてなんとかまとまったこと自体すばらしく思います。
 この交渉は、自分個人と企業との関係を築いたことと、英語で行ったことなどが特徴だと思います。英語であっても相手のことを十分配慮しているという姿勢でいけばなんとかなるかと思いますが、信頼関係を築くにあたっては、結局のところ自分が今後開発を進めていく中でかなりのポテンシャルがあることを示さないといけないことが一番大変なことでした。企業サイドからの評価というのは、一緒に進めて行って形になるかどうかであると思います。
 形になるかというのはまずはもちろん商品にこぎつけることだとおもいます。またその商品を試すことのできる立場に自分がいるかというのも大事なことかと思います。でないと企業はフィードバックできる場所を別に作らないと行けなくなるからです。
 もう一つ英語論文のようなPublishできる力も試されているように思いました。英語論文にするには英語の能力もさることながら、結論を導くためのロジックが適切に展開できるかということがあると思います。

2011年8月30日火曜日

海外企業との契約締結 KOL(キーオピニオンリーダー)となる

 先月ようやく海外企業との契約交渉が終了し、あらたにコラボレーションをすることが決まりました。ある分野の手術機器の開発の手助けをする代わりに今後の自分の研究を含めた臨床活動のサポートをしてもらうことにしました。気になる金銭的利潤に関しては期待が薄いのですが自分としては「よくここまで自分のみの力でやったなぁ」と満足しています。
 ついでにというか金銭的利潤以外でこの交渉での最大限のメリットを確保するために、この開発に関して会社のキーオピニオンリーダーとして名乗っていい許可をもらいました。これは今後どのように役立つか未知数ですが、海外の医師、企業へのアピールとして利用できそうに思います。といってもCV(履歴書)に付け加えるだけですが。
 この契約もひとまず向こう3年くらいなのですが、40歳になるまえにこういったキャリアデザインができたのはラッキーであったと思います。

2011年8月12日金曜日

ある保険会社からの先進医療についての問い合わせ

 先日、ある保険会社から広告資料に勤務先の病院の名前を入れてよいかの問い合わせが事務を通じてありました。先進医療を受けられる医療機関というのは、厚生労働省のホームページから確認できるのですが結構迅速な対応に驚きました。というのも認可は下りたがそのホームページにはなかなか表示されずにやきもきしていたのに、載っているのが確認されたらすぐに問い合わせがあったからです(単に確認した日が遅かったのかもしれませんが)。
 今はそのサイトも細かく情報開示がなされるようになってきており、どの病院で受けられるかだけでなく、いくらの追加費用で受けられるか、認可の日にち、つまりいつからその治療をしているかとかがわかってしまう状況です。これからも病院の淘汰は続くのでしょうが、こういった情報開示で今の勤務先が生き残っていけるのなら、いくばくかの貢献を自分がしているようで心あらたに頑張っていく気持になります。

2011年8月9日火曜日

筆頭著者 英語論文 11本目採択! Subspecialityの確立にむけて

 本日嬉しいことにある英語論文の採択通知を受けました。ものすごく嬉しいです! これは、やっぱり書いたことのある方にしかわかってもらえないことなのですが、何回もらっても嬉しいものです。今までのコツコツと積み上げてきた苦労が報われる大変気持ちがいい時です。ちょうど登山みたいなものでしょうか(そんな経験はありませんが)。
 ところで平均的には整形外科医というのは、専門をいくつくらいもつものなのでしょうか?大学生のときに、その大学の整形外科の教授に専門は2つもつようにといわれてました。例えば分野で1つ、部位で1つとかいうパターンでは、”関節リウマチの治療”と”膝関節手術”とかがあると思いますし、同じ膝でもスポーツ系の関節鏡手術と人工膝関節というのは2つとみなしてよいかもしれません。こういった中で自分としては部位で2つに精通したいと思っておりました。が、今までの論文としては1部位が9つ、もう1部位が1つという割合であったので、後者の方ですこし増やしておきたいと思っていました。その後者の方に追加されたのが今回採択された論文です。
 今勤務しているところでもこの2つの部位の専門として看板を挙げているので、ようやくそれに応えることができたかと思っています。また30代くらいの医師であったら、今までの医師
と違い、どんな体制の変化がおきるかわからないので2つくらい専門をもっておいてもいいのではないかと思います。
 さらに貪欲に3つめの専門分野確立にむけて今準備段階にあります。今の勤務先では行われて来なかった分野であり、他の先生、ならびにコメディカルの方、メーカの方を上手に巻き込んで行わないといけないので、精神的に大変ですが、多くの人をマネージメントしているようで楽しくもあります。これについてもまた説明できるときが来たら話をしていきたいと思います。
 3つ専門があったら、さすがに食いっぱぐれはないかと思います。


2011年8月1日月曜日

キーオピニオンリーダー(KOL)としての仕事

先日、「勝手ながら、弊社の調査より貴殿が{整形手術}の領域においてキーオピニオンリーダーと高く評価させて頂いております。」(メールの一部抜粋)という名のもとアンケートの依頼がありました。
 実を言うと、以前の記事”企業とのコラボレーション”で紹介した一つの企業との交渉で
キーオピニオンリーダー(KOLと略すらしい)として名のってもいいように交渉を進めています(このことについてはまた別の記事で書きたいと思います)。でもまだ完全に契約が締結しているわけでもないのでこの筋からKOLと評価されたのでは
ないと思います。なぜだろうという疑問はありますが、またしてもアンケートに答えると謝礼がもらえる(11/05/09の記事参考にしてください)ということだったのでアンケートに答えることにしました。15-20分程度のアンケートで100ドルぐらいなのでコストパフォーマンスの良い仕事です(本当に振り込まれるのか疑問ですが)。
 日本でもし自分が学会を主催するならだれに講演を頼むか、など芋づる式にリストが作成されてしまうような感じでした。そのなかでも際立ったのが、5年後の将来活躍している先生を
紹介する、というのがありました。”破天荒への”の祈りを込めて、自分をエントリーしておきました(あーはずかしい)。

後日談:思い切ってなんでKOLに選ばれたか聞きました。以下の回答が得られ、今回の話題は
”英語論文10本作成の余剰効果④”に相当すると思いました。

その回答の一部:”KOLについて:公表されている様々情報を収集比較した(論文の発表回数、講演会等など)結果から選出させて頂いております。”
 

2011年7月12日火曜日

先進医療への取り組み

11/05/29 の”整形外科専門医を取得する利点 未来につながる第一歩”で書いたように
専門医のメリットの一つに、”先進医療の申請”で勤務先に貢献するということがあると
自分では本気で思っています。
 よく自分より若い同僚が給料が安いことをぼやくことを耳にしますが、自分自身でできる、
患者様の満足度を高めるための努力をやれるだけやってからにすべきかなと思います。自分の
行っている比較的新しい治療アプローチは実は先進医療として試せるのではないか、と考えたのはもうかれこれ2、3年前になります。自分の中の医師としての中期的な見通しがまともであったことが確認でき嬉しく思います。今年になり、申請に必要な症例数、経験年数をクリアしたので申請することにしたのですが、診療業務としてこのような事を担当する医師って少ないだろうと思うと手続きを進めるだけで心躍ります。
 申請が承認された後、病院の広報誌に記事を書く依頼を事務の方々からもらいました。病院内で自分の存在をアピールできる場になるかもしれず、副産物的な利点を実感しています。自分としては、今の勤務先非常に気に入っており、もうしばらく在籍したいと思っているのですが、こういった取り組みを病院内で行っていることが、医局人事交渉の良い材料になれば言うこと無しです。

2011年7月10日日曜日

このブログをみて特許に興味をもった、破天荒を目指す先生方へ

海外企業との交渉もいよいよ大詰めになってきました。
結局のところ自分の書いたものは特許として形にのこることはないかもしれません。しかしそういった
アイディアをいつの時点で世に出せたか(出願して”公開”の範疇になること)は重要かと思います。

今後自分のアプローチのように試していく方におこがましくも、次のような試みはしておいたほうがいいと思い記事にします。すこし一般的な内容から逸脱します。

①特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願
”PCTは出しているのか”聞かれたことがあります。国際出願も念頭にいれたアプローチを
したかどうか、なのですが私はしていませんでした。アプローチの仕方も知らなかったし
おそらく英語で作成せねばならないと勝手に決め付けていたし、なんとしてもせめて日本での
第3者の市販化に一矢報いたいと思っていたためです。でもあとでPCTについて調べると
手続き自体は特許庁に提出するなら日本語でもよかったらしいのです。あー
出そうと思っていたころは、まず特許周辺の知識を取得するのだけでも未知の世界で大変でしたし、
通常の時間帯では普通に医師として勤務にあたっていますので余裕もありませんでした。
詳細はわかりませんが、出しておけばよかった手続きと思います。

②i-DEPOT
 今のところ自分のアイディアは国際的に特許という形で守られて行くかどうかわかりません。しかし
競合他社から同様のアイディアで商品が作成されるとこれまた今取引している企業は困ってしまうので
なんらかの形でそのアイディアの所有をしないといけないとは考えているようです。
そこでi-DEPOTの登場みたいです。くわしいことはわからないですが”i-DEPOTとは”とかで
検索しても日本語での説明が検索しても出てこないことをみるとこれ自体もマニアックかもしれません。でもシンプルに”i-DEPOT”で検索すると説明しているサイトが出てきます。あるアイディアは
自分のものであるという証明をしてくれそうだということはわかりました。
これも参考にしていただければと思います。

2011年7月8日金曜日

企業とのコラボレーション 3

いよいよ最後、企業とのコラボレーションの3つめです。
これは以前に書いている
”海外留学の目的は? 表目的とは異なる目的”11/05/17
”海外交渉で非常に役に立った本”11/05/18
”なぜ医師が?! 発明協会に訪問したの話”11/05/13

などでも書いたように、海外の企業とのコラボレーションになります。
このコラボレーションのための交渉はかれこれ2年くらいかかっています。
2年もすると大事なことを見失い、枝葉のしょうもないことでやりあっているなぁという
ことでてきます。

 最終、この企業とコラボレーションしている企業がある技術に関して商品化を検討することになり、
その商品化には自分のデザインがサポートできるかを検討するという形で交渉しています。もうすぐ終焉を迎えそうです。このやり取りで得られた知識をお伝えしていきたいと思います。

2011年7月3日日曜日

企業とのコラボレーション 2

 2つめのコラボレーションは、これは簡潔にいうと自分の研究、やりたいことというより、直属上司に依頼を受けた話です。術中のある操作を行うために重要なキーとなるパラメータの解析をするように言われました。こういった場合に難しいのは、依頼されたのはわかるが最終的に何を明らかにするかがぼんやりとしたことしか分かっていないことがあることです。上司の先生の今まで培ってきた経験、印象にそぐわない結果であったりする場合、しっかりしたデータ提示が必要になります。
 コツコツ取り組んだおかげからか、受託研究という形をとってもらえることになりました。企業も最終的には論文として残しておきたい希望があるので、英語論文作成能力等も買われたのかもしれません。虎の威をかるきつねStudyですが、研究に必要なお金を捻出して頂けるというのはかなり大きなメリットです。
 

2011年7月1日金曜日

企業とのコラボレーション 1

 現在、病院勤務する傍ら、小さいものを含めて企業とのコラボレーションを3つ平行に走らせています。今月はこれらについて書いていくことにします。
 1つは、ある手術方法を検討するための共同研究です。提案は自分でそのメーカーにもちかけました。
日本の会社です。実は、このテーマで昨年公的ないし民間の研究助成にトライしたのですが、全て不採用でした。自分では革新的と思っているし、海外ではもうすでにちらほら進められている分野なのに、日本において全くゼロという貴重な研究です。留学の際にこっそり進めていたものなので、進めていくうえでのノウハウとかも分かっているから、承諾してもらえたのかもしれません。また、ひょっとするとすでに製品として存在しているものを、別目的に使用できないかの提案ですので、全くの一から始めなくていいし、企業としても成功すれば開発費をそんなにかけずに行えますから承諾してもらえたのかもしれません。
 細かい話をすることができない状況ですが、実験のサンプルを作成するのを自分が行い、企業内の
研究施設でそのサンプルをある実験にかけるというスタイルです。サンプルを作成するのにスペースが
必要なのですが、病院の会議室を使用しています。その会議室よく読むと”多目的会議室”って書いてあり、自分の思惑にぴったりな感じです。
 いつか日の目を見ることになるといいのですが。キーワードは、”外科的予防治療法”です。

2011年6月14日火曜日

勤務先の立場をフル活用、英語力の維持!

 先日、海外に学会発表に行ってきました。1年に一回くらいしかない、比較的正当な理由で病院を抜け出せる機会です。抄録を作成して、発表までに論文を作成・投稿し、学会の最中に査読者からコメントをもらうというなかなかいいタイミングです。しかし、Major Revisionを要求されているので、採択は難しいかもしれません。
 前置きはこのくらいにしてタイトルに沿った話します。1つには営業の方に英語でプレゼンをしてもらうという企画です。なぜこの企画をしたかというと、その営業の方が、ある同種メーカから転職をした人であり、転職の理由は海外派遣を夢みて、とのことだったからです。元いたところでは海外勤務の可能性は少なくほぼゼロに等しいそうで、転職した先では可能性があるとの事でした。メーカーの営業というだけでもいろいろあるようですね。派遣が決まってからではおそいのではないの?と半ば脅迫的に英語でプレゼンしてもらう依頼をしました。普通の英会話教室でしたらありえない、専門分野での発表だったので勉強になりました。自分としてはアウトプットの練習に役に立つかなと思います。
 もう一つはもっと実践的です。また違うメーカの話で、あるソフトウエアを実際に見せてほしいと依頼をしていました。今、このメーカと新しい手術治療についての検討をしているのですが、それを実現するためのソフトウエアだったので、確認せずして次のステップに進めないと判断したからです。音沙汰ないなぁと思っていたところ、ソフトウエアの担当の方が
別の用事で日本に来るのでよかったらその時に直接きいてもらえませんか?と尋ねられました。細かいことだったので英語で伝えられるか心配でしたが、日本の営業の方も来るっていうので大丈夫と思いOKしました。会ってみると、大して緊張もせずに、そのソフトウエアについて聞きたかったことが聞けました。
 こういったことを定期的に企画していけば、日本にいても英語を維持していけるのではないかと思います。みなさんはどう思われますか? 

2011年6月9日木曜日

価値ある、学会以外のアウトプットの機会 

 今回は学際的活動の話です。
 先日、あるメーカーのクローズドなセミナーで、演者として発表のオファーを頂きました。
もちろん今の職場の一番上の上司がお得意さんであることが一番の理由ですが、それでも良かったのは自分よりまだ上に2人の医師がいるのにも拘らずです。地道にそのメーカーの方数名
と一緒に共同研究のような取り組みをしていることが評価につながったかもしれません。
 若手の場合でも1つの突出した専門分野をもつことは、自分の活動を認知してもらい、
他の医師と差別化を図る(ないし年功序列を少しだけ打破するための)上での利点になると
思います。
 もう1つ病院内のコメディカルのスタッフへの講演のオファーも頂きました。
これは単なる雑用であると思われる先生もいらっしゃるとは思います。しかし私は、
今の病院で働き続けるための、病院内での自分のネットワークを広げる意味で大事な活動
ではないかと思います。医局人事で病院を異動する状況ですが、留まり続けるためのアピールに使用できるとも思います。その部門の長の方に直接言われたので大変嬉しく思いました。
 自分の臨床での地道な活動を発表することで、働くモーチベーションアップやインスピレーションにつながればいいと願います。

2011年6月5日日曜日

Reviewerの仕事 

 一年に何回かある、英文ジャーナルのReviewer依頼のメールが先日届きました。
通常論文を投稿する際に、その雑誌にReviewerとして登録するかどうか訊かれます。
当然、”No”で登録しているのに時々依頼されてしまいます。今回ある論文の再建を
しなくてはならない状況で、引き受けるのをやめようと思いましたがやっぱり引き受けて
しまいました。
 これには理由が3つあります。
1つはあるReviewerがこういった状況で依頼を引き受けてくれたからこそ、自分の論文
が採択されたのだと考えると、まわりまわっていつかその方への恩返しになるのではないか
ということ、
2つめは、登録してなくても回ってきたということは、ある分野の専門家として扱われている
可能性があるから協力したほうがいいかと思えること、
3つめは、その論文のReviewを通じて、自分の論文が熟成される可能性があるので、
いい機会だと思えること

です。
 今回の依頼された論文は、わりと自分の専門分野に近かったのですが、中身が非常に残念
な内容でした。でも建設的なコメントで対応したいと思います。

2011年5月29日日曜日

整形外科専門医のメリット 未来につながる第一歩

 整形外科医専門医の話も、その時期(申し込み締め切り近い7月、試験のある1月)になると
ブログ等でも書かれる方が多いところ、あえて全く関係のない時期に書きます。
 専門医を既にもっている先生が、今から取得する先生に取得しても意味ない、といった話時々
耳にします。しかし、実情が何であれ患者様は専門医志向であることが多いらしく、病院のホームページとかにも担当医師が取得しているかを示していることも多いです。
 こんな社会的背景以外にも一つの利点が、”日整会広報室ニュース(2009年4月、第77号、
取り上げるにはすこし古い気もしています。ご了承ください。)”に書かれていました。

それは、”先進医療など保険外診療を行う申請をする際の担当医師条件に”専門医”であることが求められている”ことです。今後ますます病院の淘汰が続くなら、先進医療を行っている病院ということで病院の宣伝効果に役立つ可能性があります。またそういった申請ができる医師
として内部での自分の価値を高められるかもしれません。

 また海外に向けて履歴書提出する際、専門医であることは日本以上に評価されます。
医学博士(Ph.D.)も同様です。留学を志願する際に役に立つのではないかと思います。
国内でももっと評価されてもいいと思いますが、少しだけもっていない医師より給料が高く
なるという蛇足的な話をもってこの話題を終えたいと思います。

(2016年追記)
この頃では、専門医を取ることを制限しようとする働きもあります。取ってメリット
より、取らないとデメリットが生じてきそうな気がします。
 

2011年5月22日日曜日

海外会社への日本語支援

 タイトルの”海外会社への日本語支援”って書くと聞こえはいいのですが、留学時代に
経験した単発バイトの経験です。
 留学中にその研究機関の主体の大学で語学授業があったので、毎週足繁く通って
おりました。大学の掲示板というのは内容は様々で「~を売ります」とか、イベントの
記事とかありますが、ふと見ると市内の会社で「日本語のできる方」という募集を
しておりました。早速コンタクトをとり会社に行くことになりました。なんと会社から
の車でのお迎えつきです。
 会社は、物流管理支援の会社でした。なので全く専門外です。物流を管理するのには
当然棚を細かく整理して商品等を分配することが重要で、通常倉庫などで管理されます。
それぞれに区分けされたところにいくつの品があるのかを常に管理しないといけません。
単なるイメージですが、バーコードなどで管理すればOKなのかと思っていましたら
そうでもないみたいです。常に作業効率が求められるそうで、バーコードを管理する
機械などをもって作業をしたとすると当然手をとられてしまいます。また、誤操作なども
起きる可能性があります。このようなことに対処し、ヘッドフォンと音声で認識管理
できる機器を開発しているのがこの会社と知りました。これを用いた場合、アイズフリー
ハンズフリーとなって、手と視線を基本的な作業手順に集中させ、正確に指示すること
ができます。作業者は、よりスピーディーに目的に向かって倉庫内を移動できることに
なるそうなのです。
 で、なんのお仕事を頼まれたかというと今度日本にも進出する予定だそうで、
日本語バージョンを作成したいようで、自分の音声を録音させてほしいというのが主旨
でした。自分の声で作業する人が日本ででてくるとは!と緊張してきました。女性の
知り合いはいるかと聞かれ、妻も連れていったのですが、男性女性の2バージョンを
作成したいみたいでした。自然な音声は、コンピュータ音声と異なり、作業者がより
短期間で簡単に機械に慣れることができるらしいです。
 いろんな英語のパターンを日本語ではどういうのかを会社の人とやり取りした後、
実際試そうかと思っていると、パソコンに日本語表示できないということがわかり、
少し待たされた挙句今日は無理だということがわかりそれでお開きとなりました。
 でも2人で1-2時間の拘束で100ユーロは、コストパフォーマンス的に良かった
と思いました。あんなんで開発うまくいくのかと思っていたのですが、先日部屋を
掃除していると名刺が出てきたので調べてみると、あのバイトの日から1年経たない
去年に日本での導入が決まったとプレスリリースに載っていました。
 気になるのはこの会社と、日本で販売する会社(つまり子会社ではない)の接点
方法です。トレードフェアでたくさんの議論をしたとプレスリリースに書かれてい
ました。結局は人と人とのつながりなのだと確信します。今まではある大学や病院
と会社のコラボレーションというのはなるべくしてなったと思い、気にしてません
でしたが、一番最初のきっかけは”0”であったところに誰かが話して橋をかける
からコラボレーションが起きるのだと思います。こういった試みをもうすこし続け
ていきたいと思います。

2011年5月18日水曜日

海外交渉で非常に役に立った本 

 前回、留学の裏目的”海外交渉の経験”の話をしましたが、今日はその時役に立った本、
2つの紹介です。

①交渉学入門


これを偶然本屋さんで見つけたのは、もちろんビジネス関連のコーナーなのですが、
そもそも交渉学なんていう学問があることさえ知らなかったのに、妙に引きつけられた
のを思い出します。しかもその海外交渉なんてすることの決まっていなかった留学前
だったのに、”留学しているときにいるかも”などと考えて購入したのを覚えています。

普通、交渉などと聞くと戦術のようなイメージが先行し、駆け引きの仕方とか落としどころ
探しみたいな誤った発想をしがちです。しかし実際は全然異なるものでした。
目標達成の確率をあげる有効な手段であり、”論理的に交渉する”、”事前に準備する”、
”交渉をマネジメントする”といった効果的な交渉の3原則にそって解説がされています。
何のために交渉するのか、といった基本的な出発点の話から、その後のステップでの
思考なども書かれてあり大変役にたちました。

こんなこと(医師として)使わないのではと思われる方もいると思いますが、それも
間違いで常にこういった思考方法をすれば会議等がスムーズに進められるといったことも
書いてあります。

②英語ネゴシエーションの基本スキル


これは実際交渉しないといけない状況になってから購入したものです。英語での交渉が
CDに吹き込まれておりヒアリングにも役にたちました。
いろんなパターンでの会話が録音されています。

2011年5月17日火曜日

海外留学の目的は? 表目的とは異なる目的

 海外留学の目的は? これは、医師で留学されている方のブログ等でも
よく取り上げられているテーマの一つかもしれません。が、典型的な
でない目的を自分は達成しました。まだ完全に完結していないので
達成といいきれませんが。

 オブラートの包んだ話をしていきますが、大学院時代に思いついたアイディア
がなんらかの形で商品化できたらいいなぁと思って留学をしました。
これを通常の留学目的を表目的とすれば、裏目的に相当します。もちろん
海外生活を満喫すること、つまり旅行気分で異国文化に触れることもこの
カテゴリーでしょうが、なんというかもう1段階上の位置づけと思います。
私は全くコネなどない状況で留学先を見つけましたが(学会で直接声をかけた!)、
それもこの留学先ならそれを展開できるのではないかと思いました。こう書きますと
私利私欲な感じですが、そうではありません。自分の力でどうにもならない事を
いろんな方の協力のもとに多くの人に役に立つようにするというのが最終目的
です。しかし、この案はいってからあっさり崩れます。類似した研究をしていたのに
今はもう行っていないなどの理由でした。それなら行く前に言ってくれよと
思いました(今はまたその分野の研究が復興し、やる気になっているようですが,,)。
 
 まぁ、このためだけに来たわけではないし..と、あきらめというか自分を説得しており
ましたが、あきらめきれず今度は類似商品で発展している会社にコンタクトを取りました
コンタクトの方法はというと、これも先ほどと変わらず、たくさんの企業が集まる
フェアに参加して、その企業がブースを出しているところに話を持って行きました!
説明したいことを図に印刷したりしたどうしようもない資料を片手に、こんな商品
どうでしょうか?というアプローチをしました。汗だくで話を終え(長い時間と
思っていたが30分くらいだった)、その有効性について調査するという、あたり
さわりのない対応で終わりました。連絡あるかーと思っていましたが、やっぱり
ありませんでした。
 自分としてはすでにそのアイディアを臨床で試しているので、根拠のない自信が
あったのですが、やっぱり無理かとおもっていたのですが、英語論文としてまとめ
採択通知が届いた後、再度話を聞いてもらった方にメールしました。その1週間後、
その方からメールがあり、話を聞きたいと思うので一度こちらに来てくれないか?
というメールをもらったのです。
 すでに試していたこともあったし、論文になっているという実績があったから
このようにいい方に話進んだのだと思うのですが、やっぱり直接話かけに行った
というのがよかった気がします。
こういった試みは日本に帰っても試しており、それもいい方向にすすんでいます。

 こういったいきさつから留学先のところから電車2時間半かけてその会社へ訪問し、
始まった海外交渉の経験が私の留学の際の裏目的となります。

2011年5月13日金曜日

なぜ医師が?! 発明協会に訪問した時の話

 特許出願関連のテーマが最近続いていますが、これもお伝えしておきたい
内容です。あるアイディアを思いついたときに読んだ本(破天荒を目指すための本④)
には特許を出願して、ある企業にそのアイディアをもっていく。ということが
書かれてあったのですが、これがどうも本当にこんなプロセスでいくのか疑心暗鬼でしたので
発明協会に話をしにいったことがあります。
 弁理士さんに無料で30分相談できるサービスを利用しました。これは大学院時代であったので
平日すこし職場を抜けて行ってきました。学生なんですから。
 その弁理士さんによると、アプローチとしては上述の方法でいくのでいいと思うが、

医師でありそこから出たニーズのはずなので持ち込みする企業と一緒にその発明を育てていくという姿勢が大事なのでは?という感じでした。

これは今思うとその通りだなと思います。
通常企業はこういったアイデアの持ち込みっていうのを嫌がる傾向にあるみたいです。
これは、質問して誰かが答えてくれるみたいなサイトで調べた結果です。企業には新企画を
考える部署や知財を管理する部署があるはずで、どこの馬の骨ともわからない奴の意見を
聞くこと自体リスクを伴うみたいなのです。また特許を取得した状態ならいざ知らずアイデア
あります、というようなスタンスでは意味がないと判断されるみたいなのです。
 ということで私は医師の立場を利用しながらアイデアを聞いてもらうという立場を
とりました。なんのことかわかりませんね。少しずつ書いていきます。

2011年5月11日水曜日

知的財産戦略

前回、特許出願のことを書きましたが、このときの気持ちにすこし
似ているサイトを発見しました。
タイトルの前に”医師のための”を
後に”マニュアル”というキーワード追加して検索すると
一番に検索されるサイトです。
マニュアル自体の値段設定がとても高く、内容は確かめていませんが
サイトに書かれている、医師を取り巻く知財の状況は正しく、
それを打開しようとする内容、姿勢には納得がいきます(繰り返しますが、
購入しておりませんし、これを購入してほしいとも思っていません)。
医師のアイディアは知的財産にあたり、世に役立つなら皆が使用できるように
していったほうがいいと思います。
しかし、商品化など実現しようとすると障壁が大きいのも事実です。

私はたまたま運よく、あるアイディアを思いついて、商品化に向けて
企業と交渉中の立場にたった経験があります。 すこしずつこの状況について
またの機会に書いていきたいと思います。

破天荒を目指すための本 ④ 医師も特許を知ろう

 このブログ書こうと思ったきっかけは、自分が今までチャレンジで行ってきた
ないし行っている(これらを少しずつ書いていきたいと思っています)ことは、少なからず
様々な方のブログを読み、模索した結果だったりするので、自分もなにかの
恩返しというか役に立ちたいという思いからです。

今回紹介する本は、何で医師が?!というものですが、特許の書き方がわかる本です。
”成功事例が教える一人でできる特許の取り方・活かし方 (B&Tブックス) ”です。



初め本屋さんで偶然みつけ(いやもちろん特許作成のための本ないかなーとか
思ってはいたのですが)、胡散臭ささ満点な気がして購入するのをためらいました。
しかし、そもそも特許ってどんな時に、どんなものに対して書くのかなど全く知らなかった
ので繰り返し読むとだんだん好きになってきました。書き方も例をあげて細かく書けており
実際これを読んで特許出願をしたことがあります(正確には特許を取得したというのと、
出願しただけというのは次元の違うはなしなのですがここではふれません)。
 このあたりが破天荒かなと思われるかもしれませんが、
これもある医師のブログで特許を書いたことがあるという記事を読んだからなので
まだまだ破天荒には到達していないかと思います。

なんで特許を? まだ書いていないのですが、これは別の記事で書いていきたいと思います。
実は医師のひらめきは特許を取得することにつながる仕事と思います。

2011年5月9日月曜日

英語論文 10本作成の余剰効果 ③ (海外からの謝礼つきの問い合わせ)

先日、海外からあるメールが届きました。
医療系のコンサルト会社のようでしたが(アドレスから検索)、手術のあること
(あえて伏せます)について意見を聞きたいというものでした。
論文が出回ったことの効果で、筆頭著者のcorrespondenceとしてメールアドレス
が載ってしまうことからときどきいろんなところからアンケートの依頼があります。
「何分しかかからない内容なので是非ご協力を!」とかいうのがほとんどで、
今まで書いたことありませんでした。
しかし、今回は協力したのでした。なぜか?
実は件名に”(謝礼をお支払いします)”というコメントがあったからです。
完全に術中にはまってしまったのですが、ゴールデンウイークの暇な日など
だったら対応できるしいいかもと思って協力可能の返信をしました。
もう一つ、希望があれば日本語でも可能ということだったからもあります。

何回かのやり取りのあと、深夜10時に海外からの電話がなりました。
(時差があるからです。日本からでなさそうなのは自明です。)
英語での質問があって、わからないと通訳者が訳してくれるという状況で
40分くらいでしょうか?そのあることについていろいろ聞かれました。
途中から疲れてほとんど訳してもらってました。あーなさけない。

一応規模としては全世界で100名ほどの整形外科医を抽出して聞いている
ということで日本の医師には私含めて10-15名くらいだそうです。
なんで選ばれたかわかりませんが、選ばれたこと自体興味深かったです。

そして気になる謝金ですが350ドルも頂きました!!こんなこと
そうそうないのでしょうが、こういった市場調査が行われている
ということがわかっただけでも勉強になりました。

2011年5月1日日曜日

破天荒を目指すための本 ③ 「英語ができる」の斬新な考え方

この本も是非破天荒を目指すなら読んでほしい本です。本屋で偶然見つけた、
ピンクカラーを用いたかなりいかがわしい上下2巻の本であり購入するか非常に
悩んだ記憶があります。タイトルに英語って書かれているわりに英語の勉強の本
では全くなく、価値観を変えよ!、という内容でした。
マインドマップとか今ではビジネス系の本で見られる考えかたの紹介等、たくさん面白い
要素がちりばめられているのですが、自分のブログで大事な事としては英語の利用の仕方
でした。
 通常、英語が話せると外国人と友達になり、そのおかげでビジネスに結び付くと
いった考え方をするものです。ところが、この本では結果先取り方式というか逆の発想で、
ビジネスチャンスを見極め、その分野のみで必要な最低限の英語でアプローチして、
ビジネスの発展とともに英語の能力も上げていくという方法を紹介しています。
 私もこれを参考にして、海外の会社とビジネスチャンスを展開できるようになっています。
タイミングさえよければ、大して英語ができなくてもそういった機会をものにできるという
今までにない達成感が味わえます。
文才あって非常に読みやすく書かれているし、もう一度読み直すときに効率よく読めるよう
なマーキングがなされているのもの親切であると思います。



2011年4月15日金曜日

破天荒を目指すための本 ② 起業マインドの確立

 医師になってというか社会人になってどのように過ごしていくかということが
医師初期の頃から心配事の一つでした。そんな事からビジネス本・雑誌を読んで
対策を立てていこうと考えていました。本屋にいって見つけたのが今回紹介する
本です。



「週末起業」というフレーズも今では定着している感がありますが、この本がパイオニア
だったのではないかと思います。
社会の先行き不安に対する一対策ということでなく、「リスクをとらず、元手
を準備することもなく、起業というきわめてエキサイティングなライフスタイルを、
簡単に手にすることができる」とあります。読んだときはまだ医師3年目ですから
「何を考えているのか」とか言われそうですが、なにか医師としての仕事でない
魅力的な仕事が見つかったときにこういったスタイルではじめればいいのではないかと
漠然と思った本です。
もともと医師としての仕事に魅力を感じつつも、医師の使用する医療機器といったもの
にも大変興味があり、医師としてだけでなく医療機器開発のコンサルタントみたいな
仕事してみたいと思っていました。

2011年4月8日金曜日

英語論文10本作成の余剰効果 ② 研究助成を獲得

 以前に「英語論文10本作成の余剰効果」について書きましたが大事な事を忘れていました。
それは、業績としてアピールできることです。

 臨床を行うであっても新たな局面に取り組もうとする姿勢は大事であり、その一つに
臨床研究を行うことがあると思います。なにかを明らかにするために介入をおこなって
効果を検討・研究するといったことを考えた場合、得られるものであれば研究助成を
得たいと思います。この研究助成を得るためには申請書を書く必要があります。その際
かならず業績として今までの論文発表を報告しなければなりません。こういったときにも
英語論文10編作成しているということはその助成申請に役に立つと思います。いままで
2回研究助成をうけたことがあります。

2011年4月2日土曜日

英語論文作成攻略本 3つ紹介いたします。

前に英語論文10本作成したことを紹介しましたが、作成で参考になった本を
紹介します。

1つめ「アクセプトされる英語医学論文を書こう!―ワークショップ方式による
英語の弱点克服法 (JASMEE library)」

これは大変参考になった本でして、論文作成する方のバイブルとも言うべき本と思います。
論文作成というのは、仮説をたてて、データをあつめ、解釈・考察して 発表して
そして論文執筆という作業をしていたのではなかなか論文執筆に至りません。
そうでなく、データを取っている段階である程度作成し始めてみては?という促しが
最も効果があったところです。たしかにある仮説にしたがって研究を進めていく段階
であってもIntroduction、materials & Methodsは作成できるし、結果は数値を
空けておけばいいとか、考察も仮説が正しかったとして進めていくというスタイルで
す。今まで全く誰もやってこなかった研究というのはないわけで、未解明であった
一部を明らかにするのであれば過去の報告というのがどうであったかも研究の結果が
出てくる前に作成できるはずです。この本を読みまくり(付箋貼りまくりでした)、
マスターしたおかげで比較的早い段階で論文10本が達成できたと思います。




2つめ「医師のための英語論文執筆のすすめ―11の教訓・8つの極意」

かなり”ストイック”なすすめが書かれています。論文を作成するということは
日々の臨床上の知見を深めていくため、また単に発表だけでなく体系的な学問として
残していく必要があるためと位置づけています。また朝5時に起きて執筆に取り組む
という姿勢は頭がさがります。論文を作成していて、一旦はReviewというプロセスを
経てそれに対応して採択されるという流れがよくわかる作品と思います。一発表一論文
の原則というのはなかなかできないことですが、そうなるように日々努力しています。




3つめ「論文のレトリック―医学研究発表のTips & Pitfalls」
これは論文の作成一般と学会発表でのスライドづくりまで網羅している内容になっている。
面白かったのは論文作成の裏側、作成までの人間関係の結果が反映されているとか、
不正行為、2重投稿の話とかが盛り込まれている点です。

2011年3月21日月曜日

英語論文10本作成の余剰効果 ①

 現在医師11年目になっていますが9年目の段階で自分の名前がFirst Authorである英語論文が
10本を越えました。
 1本目の目標は”PubMed”に自分の名前を載せたいということだったのですが、2ケタに
したかった理由は、たくさん論文書いている医師であっても大体は2ケタであって(10-99なので)
その仲間入りしたい、ということでした。
 本当は内容や質も大事なのですが、同じ専門性をもった医師でないとそこまでわかりません。しかし、”10本”というのは比較的分かりやすいキーワードになり、論文を1つでも書いたことのある(または書こうとした)医師からは結構な評価が得られます。
 医師からだけではありません。論文出版社から一定期間無料で雑誌をダウンロードして購読できるというサービスが届いたり、執筆の依頼があったりします。他、ある外国の医療コンサルトからある機器のアンケート(謝礼つき)を依頼されたりもします。自分の論文を読んで日本ではない海外からアクションがあるということは、なんとなく自分が国際人として活躍できている気がしていい気分になれます。

2011年3月12日土曜日

破天荒を目指すための本  医師以外のキャリア探し

「医師初期(研修医)時代に読んだ本 ②」で紹介した本、「博士号とる?とらない?徹底大検証!―あなたが選ぶバイオ研究人生」を読んでいて、その中で紹介されていた本が自分のHeterogenousさを引き立てるものだったと思います。
「Alternative Careers in Science, Second Edition: Leaving the Ivory Tower (Scientific Survival Skills)」
という本でして、これは研究者としての道から脱していろんな方面で活躍している人がその職業について紹介しているものです。副題の中の” the Ivory Tower ”っていうところが、日本語の「白い巨塔」みたいで、どこでも一緒かと感じます。
 科学系の執筆業、資産家、起業家、科学系コンサルトとか様々な方面に転じていてどんなタイミングで研究職をやめたのか等書かれていて、指南書の前身としては参考になると思います。

(2016年追記)
英語ですので、とっつきにくいかもしれませんが、医師以外の職業がタイトルになっていて、その方々の体験が書かれていますので、読みたいところから読んで行ける感じです。今でも色褪せないと思います。

2011年3月8日火曜日

医師初期(研修医)時代に読んだ本 ② 大学院のメリット

 医師になってから数年(4-5年)臨床で研修を積んだ後、大学院にいって研究をするというのが医師の進むべき道の一つと考えられていました。過去形で書くのは今もうそんな時代でなくなりつつ
あるからです。
 これは純粋に研究というエッセンスを勉強し、今後の臨床に活かすという目的もあるでしょうが、大学が関連病院を管理するという日本独自のシステム(医局)のため、それに所属しているお礼として奉公を兼ねて進学する(させられる?)目的もありました。今は医局システムが研修医制度の変更で力を失いつつあるため医局に所属する医師が少なくなって来ているから進学自体も重要性が小さくなってきているので大学院進学自体危うい状況であります。   
 しかしながら、一般的な医師から突出するにはこの大学院進学のキャリアは必要なものであると私は思います。これについては少しずつブログで書いていこうと思います。
 大学院進学は最終的には博士号取得という目的がありますが、それを考える意味で読んでよかった本を紹介します。
「博士号とる?とらない?徹底大検証!―あなたが選ぶバイオ研究人生」です。医師の大学院進学に関わらず理学系の大学生の進路の行方について細かく書かれてあり参考になります。また書き方が特徴的で親近感の湧くものになっています。

また、この本に書かれていた本が(次回の「破天荒を目指すための本 ① 医師以外のキャリア探し」に書いていますが)、”医師の道は、医療だけでない”ことに気付かせる本であったので読んで良かったと思います。




2011年3月2日水曜日

医師初期(研修医)時代に読んだ本 社会人の入り口に最適

今は医師でも就職活動みたいなのがあり必ずしも希望の病院に行けなくなってきているようです。私たちの時代はまだ医局が力を持っており、医局が斡旋してくれる病院に配属されるだけで就職先に向けてなにかの準備というのは必要ない時代でした。でも準備なしではまずいよなぁと思っていたときに出会ったのが下の本です。中谷 彰宏氏の「入社3年目までに勝負がつく77の法則 (PHP文庫)」です。もう十年以上も前に出版されたものですが今読んでもまったく色褪せない感じで、入社ではないけど社会人になる際に読んでおいてよかったものです。さすがに77もあるので全て紹介できませんが、”仕事が「楽しいこと」と「楽だ」は一緒ではない”こととか”量は必ず質に転換する”など、社会人初めのうちにしないといけない仕事への向き合い方などが書かれてあり大変ためになったと思います。そうやって取り組んでいった
ことで10年後に結果になって現れると書かれてあり、小さな努力を積み上げていけて良かったと思う自分が今います。
 後は”自分のやりたいことができるようになるのが出世”というフレーズが好きで、この気持ちでいつも望んでいます。

2011年2月28日月曜日

留学のきっかけ は、体験談から。多く集めよう

 留学へのMotivationとしては学生時代に”日本医事新報ジュニア版”を読んだことが影響あると思います。これは今はJuniorという名前で医学系図書を扱っている書店においてあるものですが、学生時代は無料で大学の事務(医事課)に届いていました。そのときも有料だったのかも知れませんが幸い無料で頂くことができ(かなり目立たないところに置いてあったからもある)、ほぼ毎月読んでました。その中には医師になってから臨床留学、研究留学等をされた先輩医師先生の海外での活躍記事が載っていて大変刺激なりました。

 もうひとつ、これは実際は医師の転職記事が主体のものですが”ジャミック・ジャーナル”という雑誌にも留学に行かれた先生のことが書かれてあり、これにも影響されたと思います。またこの雑誌を読んで良かったのは医局制度を脱して、医局とはちがったキャリアデザインで行く医師の記事も多くあり(転職雑誌だから当たり前か)、こういったことが破天荒を目指したくなったのだと思います。医師になる前から転職雑誌読んでいたとはやっぱり変わっていると自分でも思います。

(2016年追記)
書籍でいうと、下記。結局身近な先輩先生からの耳情報以上の情報を集めることが大事だと思います。この先生は実は自分の所属していた医局の先生であること後から知って、会った時の嬉しさはまだ記憶に残っています。

2011年2月27日日曜日

留学のきっかけ 英語への気持ちの変わるできごと

 留学というとやっぱり英語が話せないといけないことになりますが、医学生になった当初、私は英語が嫌いでした。受験でも数学、理科でカバーした方でした。兄弟で仕事で海外を飛び回っている姉がいるにもかかわらず、費用対効果や時間対効果のことを考えるとそんなことに時間を費やすのは面倒だと思っていました。海外もツアーや家族でいったことはあっても自分で英語を駆使することなどありませんでした。
 それが少し変わったのは前の大学時代(医学部の前に他大学2年在籍)の親友が、休みを利用してタイに2週間くらい旅行にいったからでした。話せるとは全く思っていなかった(失礼)友人の突飛な行動に驚くとともに、どんな感じであったか聞いてみました。宿泊する際いきなりホテルへ行き”One day,please"でなんとかなったというではありませんか!こんなんでいいなら日本に留まっているはもったいない自分も海外へ行こうと思い、一人海外旅行を趣味にする
ようになったのでした。 (でも私が最初に1人で海外に行ったのは、カナダでしたが)

(2016年追記)
結局、英語力の向上は、あー英語がと思うより、そういった機会に身を置くことからはじめるしかありません。やっぱり英語への気持ちを変えていかないといけないそのためには数をかせがないと、と思います。

2011年2月26日土曜日

はじめに

 はじめまして、整形外科医の”研究所所長”です。
ようやく中堅クラスに到達しましたが、医師のキャリアを
考える際にインターネット上のブログに書き込まれた情報が
役に立ちました。
 ですので、自分もこのブログを書くことで誰かの参考に
なればと思っています。
 どうぞよろしくお願いします。