ページ

2016年6月30日木曜日

英文校正サービス と 論文再建の大変さ 久しぶりのClinical Orthopaedics and Related Research の査読から

Clinical Orthopaedics and Related Research(CORR(コア)と略したりします)から査読のInvitationが届きました。何回か忙しい時期と重なり、断ったことが何回かあり、もう登録はずされているかなぁと思っていました。

査読者として登録していいか、は、投稿するときに聞かれますが、これを引き受けたほうが、自分の論文の採択の確立があがる、という都市伝説ありますが、たぶんないと思います。

このCORRと査読でひっかけたところ面白い記事発見しましたので、紹介します。

editage という英文校正サービスで、それを利用した新潟大学の先生の記事がありました。


私も以前使用したことがあります。参考になるのは、投稿したらコメント81個も帰ってきて、論文
再建を撤回し別のジャーナルに出すことを考えたところでしょうか。

条件付アクセプトということですが、CORRの場合これがほとんどですので、これであきらめるのは
もったいないです。また81個のコメントというのも別段多すぎません。

以前自分も印刷すると、A4紙25ページ分の査読者からのコメントをCORRからもらったことがあります。私もあきらめたく思いました。が、一つ一つに丁寧に対応していくことで、

MajorRevisionからMinorRevisionになり、最後には採択されました。このように論文の再建というのは,投稿より大変ですし、もちろん国際学会に採択されるのとは全く次元が違います(とかいいつつ今年ある国際学会にReject通知もらいました)。

だからこそ、採択された場合、この価値は相当高いものであると認識してもらえるのです。

今回の査読する論文を読みつつ、ひさびさ論文作成を検討しようかと思いました。




2016年6月24日金曜日

誤って消したブログ記事 復活 Googleとブログ村に感謝


上のように、ブログの投稿を管理しているページで、タブレットだったので、何気なく画面を触ると、
タイミングが悪いと、タイトルの下に、編集、表示、共有、削除の項目がでるのですが、ピッと触ったところが、”削除”であったので誤って消してしまいました。一回触れるはずが、モニタを触った振動で2回触ったことになり、記事を消去しますか?にも「はい」と答えてしまったようで削除されてしまいました。

今、イギリスがEUを脱退するというショックな事態の起こっている最中ですが、それよりもショックでした(苦笑)。下書きもなしで作成した記事だったので、今ひとつタイトルが思い出せず。という情けない状態。

幸い、復活の方法をある方のブログで見つけました(クリック)。要は、Googleのキャッシュを利用するというらしいのですが、消去したブログ記事のタイトル、アドレスがわからないと検索すら翔れません。

むかし、登録して、登録していたことすら忘れていた、ブログ村というランキングサイトで自分の削除した記事を見つけました。

そしてそのタイトルで検索
矢印で示されている、下三角▼をクリックすれば、”キャッシュ”という項目が出てくるので、これで
復活です。

最近は、こういった些細だが致命的なミスを多くするようになり、自己嫌悪の毎日です。また、その対策について、考えていきたいと思います。



2016年6月18日土曜日

「時間がなくても,お金がなくても,英語が苦手でも!」 医師が論文を書くコツ 若手医師先生が執筆される面白そうな本を見つけました。

(本の紹介はいちばん最後に。お急ぎの場合はすっ飛ばしてください)
以前に紹介した、

できる研究者の論文生産術”(下線をクリックでリンクします。)を読むと、結局、コンスタントな時間設定が、論文作成のコツであることには間違いありません。シルビア氏のいう、”論文執筆の時間を作る”という考え自体が間違いで、学校の授業の時間割みたく日常生活の中に、割り振らないといけないと説いています。

もちろん、この意見には賛成です。論文を多く執筆されている先生にインタビューした時(下線をクリックでリンクします。2-3日前に一斉値下げをしました。)でも、計画を立てる→実行にうつす。の話が結構聞けました。

心理学者である作者は、毎日午前中2時間の時間を充てています。平日だけで10時間になります。 まずは週4時間から開始してはどうかと書かれています。 ということは毎日1時間作ってみて
8割有効に使えて4時間。このくらいを目安にするのがいいと思うのですが、どうでしょう?

朝のカンファがあったり、回診があったり、抄読会があったり、急にコールがなったりと、大学病院以外の医師が時間を作るのは難しいとは思います(上記の本にはどんな言い訳も言い訳であると言われてしまってますが)。

自分の経験からは、朝のイベントを早く終わらして、自分の机に戻るしかないと思います。 病院始業時間が過ぎるとほとんどの人がおりますが、それより前は結構ひっそりしているところが多いです。他、談話室のようなところとか、図書室(ここはくつろぎの場所としても使えます)とか、探せば少なくとも片隅、1人座るところは小さな病院でも、あるはずです。そこで作業するということでやってみるといいでしょう。 邪魔が入っても30分は作れると思います。そうすれば後は細切れ時間の蓄積でなんとか1時間まで持っていけると思います。

昔、研修したての頃は、外来に文献を持っていき、患者さんの入れ替えがある間に1段落進める。などということをしていました。どうでしょう?

最後に、ここまで読んでもらっているかわかりませんが、面白い本を見つけました。




「どのようなこと・テーマを論文にすればよいのか」という論文作成に大切なもう一つの視点を
欠いているからと指摘され、また、忙しい臨床医が、「どのようにしたら、時間のな
い中で、効率的に論文を書くか」という点に着目して本を執筆されています。若手の先生
(といっても15年くらいは経っていると思いますが)が執筆されているというのも刺激をうけると思います。活躍している他の先生のように、というMotivation(悔しさをばねに的)も共感できると思います。

2016年6月16日木曜日

医師も VR (Virtual Reality) の準備をしよう ポールマッカートニーもやっています

USA TODAYという新聞の広告の記事です。
1面使った広告のなので、結構お金使っているのかなぁという印象です。車の試乗体験をVRでできますよ、というものでした。 自動車試乗から少し考えると、自動車教習もこういったことに置き換わるかもしれませんよね。
 ある分野では急速に進んでますよね(笑い)。昔、1990年の映画、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「トータル・リコール」でその片鱗が出てきますが、こんなん、どうかなとか思った記憶がありますけど。

準備はしておこうかなという方に以下。父の日のプレゼントにもらっては?という触れ込みでした。
自分も購入しようと思っています。こっちは、単に映像を3D化するってだけなのですが、単純に安価なので試す方が多いと思われます。



また本格的なものとしては、

Oculus Rift なのでしょう。こっちはPC本体で3D画像を作成、処理し、その映像をモニタできるというものになります。

と思っていると、整形外科分野でも、ハードウエアが少し異なりますが、すでに関節鏡手術手技の取得のために、VR技術が利用されていました。 → リンク をクリック

Arthro Mentor です。

面白いのは3Dプリンターの大手が、これを開発した会社を買収している点です。

トレーニングとしては、今までは、
”関節鏡トレーニングセット”(米国なので日本では代理店があるようです)
が売られていました。






でもこれからは、もっとリアル画像で手術訓練できるようになるかもしれません。
ここでようやく本題に関係しますが、あのポールマッカートニーの、VR技術を用いた、
自分のスタジオを作成の記事が今月ありました(これも先のUSA TODAY)。


まぁ、開発までは難しくても、ユーザーとしての準備はしておいてもいいかなと思いました。

最後に繰り返し紹介。



2016年6月14日火曜日

講演の依頼をうける 論文・学会発表のメリット

今年に入って講演の依頼を2回受けました。 こういったことも論文作成や学会発表をしていることのメリットかと思います(時間を削ってまで、人前で話すのが好きでない、という方はこの範疇に入りません。またバランスにもよるかもしれません(毎月、毎週だったら自分は勘弁です))。

でも、きっかけはそうでもありませんでした。

1つはある先生の講演を聞きに行き、質問をしたことから、座長の先生に少し覚えてもらっていて、
懇親会で話をしたことがきっかけです。そのとき、自分がこれまでにやってきたこと、今取り組んでいることなどを話して、それだったら今度話をしてくれませんか?ということになりました。 この場合は”質問をした”、というのがよかったかもしれません。あまりたくさんの質問がある講演だったらこうはいかないかもしれません。まったく質問がない、少ない、座長が「では、私から質問させて頂きます」的雰囲気の時はチャンスかもしれません。 座長の先生にも、会を盛り上げてくれたと喜ばれます。

2つめは、これも直接ではありませんが、ホームページなどで活動を知ってくれた先生からのアプローチでした。会ったことはありません。が、この方のお知り合いとお知り合いなどであれば、こういったことをしてくれる先生もいるかもしれません。

しかし、どちらもきっかけは異なるのですが、最終的には自分が何をしてきている人なのか、というのが、話して伝えられる、ないし読んでわかるサイトがあるなど、自分の活動の布石は作っておかないといけないかなとは思います。 

これが、少し前に紹介した本の作者の述べている”OnlyOne”作戦の一つだと思います。




が、この結果としては1つは、流れてしまいました。 たまたま国内不在のときの日にちだったので
無理でした。が、一つは、日にちを調節してくれるということだったので、なんとかセーフとなると思います。

2016年6月5日日曜日

医者 だって 海外旅行を満喫したい。絶景・秘境おすすめ本 体験1 グランドプリズマティックスプリング の親戚 モーニング・グローリー


4月に紹介した本(記事はこちら)、
「5日間の休みで行けちゃう! 絶景・秘境への旅」の体験談 1
ナンバー06の「グランドプリズマティックスプリング」 です。
アマゾンのレビューである、5日間の休みで行けるのかな?とかいう意見はあるのでしょうが、観光地に近い空港を選択することまで考慮すればなんとかなるのかもしれません。
また、写真は、表題にもあるように、モーニング・グローリーの写真です。よくカラフルな写真から混同するブログも散見されました。
が、理由としては、グランドプリズマティックスプリングは大きすぎてカメラに収めることができないという理由があるのでしょう。また、これに対抗して、高台からみるという方法が書かれているブログもありましたが、自分が行ったら、熊が出るという理由で禁止区域になっていました。
これにも負けず、道路を挟んだ対岸の山を少し登り、全貌を明らかにする写真を撮りました。
が、最終日カメラの置忘れをし、盗まれたようで(アメリカで2度目)、脳裏に焼き付けた以外の保存はありません(合掌)。

伝えたいことは2点。
1点は、やっぱり、多くの医師は5日間の休みもなかなかとれないのではないか、なのでこういった絶景地に行けない、もったいない職種であることから、改善方法を編み出さないといけないという点
(一方で、遊学と揶揄されても、留学という機会を使うというのは、仕事で結果を出せている限り、有りだと思います)。

2点目は、実は、いろいろカタログ集めただけの本だとレビューで少し批判されていますが、作者は、経営コンサルタントの仕事を主とする会社の代表取締役だったりすることから、仕事の多様性について考えさせられた点です。


2016年6月1日水曜日

良書発見! "若手医師 のための キャリアパス論"  サブタイトル”あなたの医師人生を10倍輝かせる方法”も効果的

今日本語の本を読むのに少し躊躇する環境にあります(苦笑)。 
論文の本で面白そうなタイトルの本があって購読しようと思ったのですが、それがきっかけで見つけた本の紹介です。

若手医師 のための キャリアパス論-あなたの医師人生を10倍輝かせる方法

です。ありきたりのといっても注目の衰えることのない留学本、論文本以外の方向性を持った本
で、タイトル的に読まざるを得ませんでした。 卒業年次的にさほど変わらないのに、うまくOnlyOne
を狙えた先生でとても刺激になります。

神経科医の先生で
小児科からスタート
小児神経科
てんかん科の専門医
医学博士
研究留学

現在病院の
教育タスクフォースという今っぽいチームの一員で
研修医キャリアパス指導
英語教育プログラム
海外留学指導を担当だそうです。


今までの成功者が情熱的で、”目の前の仕事をとにかく頑張った”では、思考停止であると
説きます。
いろいろな方向で、どう物事を考えたらいいか、とにかく、きまったらとにかく動くにしても
それまでは、いろいろ思考するべきという方針のもと、著者が今まで頑張ってきた経験
をもとに、著者の考える成功者のキャリアパスの共通項を概念としてとらえ、話が展開していきます。
時代背景の整理(医局のシステム、変遷など)も若手の方にはいいと思います。
またレビューを見ると、こういった本を読んで若手が育つ可能性があるので、
指導者側も読んで勉強する必要があるという意見もありました。


自分を知ること
計画的偶発性理論
20年後、7年後、3年後理論
常に2割の労力を未来に使え
とか、ちょっとビジネス書では触れている事柄を
医師目線で展開しているのは
いいかなと思えました。

サンプルがKindleで手に入るので、目次だけパーッとみて興味がある方は
購入すれば、とか思いましたが、購入して読むとサンプルではわからない
著者の率直な書き方に共感します。たぶんこのくらいの経験年齢ですと、
若手になにか言いたい、でも上からもなにか言われたくないということで
ストレートに書くことを躊躇することもありえる(特に名前出してますし。)のに
ものすごくズバッと書かれていて爽快です。
(今回はスピード重視に総論的に感想ですが、各論的に攻めていっても
面白本だなぁと思いました)





研究者が新研修医制度の誕生で減っていることを、むしろOnlyOneになる
チャンスと説いており、自分の目指す方向性にも似ていました。
世界で活躍するためには、海外留学、医学博士という客観的指標は
資格的に必要であるというのもうなずけます(それが目標でなく、それを
獲得する際に備わるいろんなセンスとか)。


サブタイトルについては、本当最近の本は、よくもここまで!と感動するくらい
注目させるためのキーワードちりばめられているなぁと思います。
こういう体験談的本をうまく引き付けるコピーライターのセンスも
これからはやっぱりいると思いました。