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2017年10月29日日曜日

医師が専門分野を変える決断 ...からの脱線話

 先日、今まで知らなかった分野の病院見学に行ってきました。 地域に根ざした病院の1つだったみたいですが、経営者側の判断でガラッと専門科を変えたようでした。今後は結構そういった病院が増えるのかも知れないなぁと思いました。
 それに類似するのですが、似て非なる医師個人で専門を変える先生の話を聞きました。しばらく行っていなかったバイトさせてもらっている病院での話です。クリニックの先生からの脊椎疾患の紹介があったので、月並みな診察をして、MRIの予約を入れて、脊椎専門の先生の外来予約を、といった話をしていますと、もうその先生は脊椎を専門にしていないということで、人工膝関節を専門にしていくことに最近決まりました。ということでした。えーー。
 もうその先生自身の言葉で言っているのを看護師さんが聞いたという話だったので、本当なのでしょう。いろんな可能性を考えました。一つにはもともとその先生だけが脊椎を触る先生だったけど、途中からかなりのベテランの脊椎の先生が来たため、症例が減ったかもしれない。 人工関節を専門にする先生がいなく、いろんな先生が人工関節をしているので、興味が移ったかもしれない等。タイミングとしては、そのベテラン先生が高齢となり、非常勤となり、手術をしなくなったことが引き金かもしれないのですが、”専門分野”についてはいろいろ考えさせられました。 
 自分の意思で変えるなら、まだ納得できるでしょうが、医局人事で移った先が、外傷を基本とした一般病院である場合には、その専門分野という看板を維持できなくなるかもしれないです。いや先のように他にも専門の先生がいるだけで立場が変わることもあるでしょう。この場合1つの戦略があるでしょう。一つは専門性を高めて病院全体、また病院のまわりの環境を変えていくことです。しかし、難しい現実が待っているような気がします。 というのは医師単体でどうすれば希望の患者を集められるか、という能力はそんなに培われていないのではないかと思うのです。この時点でようやくそういった患者は、単に病院が集めていたのだということに気づくのです。「先生のこの手術年間何例しているんですか?」という質問は、今でもどこでも聞く頻出質問ですが、これは別にその先生の能力だけではないと(能力もあるとは思いますが)思えてきています。
 医師個人で集客する方法という本があるかというと、今のところ見つけられていません。でも隣接する類似する整骨院では結構生き残りがかかっているからか、そういう本が出てきています。
これは、本屋で見つけたもので、整骨院経営者が書いたものでなく、コンサルティングの方が執筆していますので、客観性があるかもしれません。


 こっちは現役の方の。

これも。現役の方の場合は、成功体験であるので、たまたまうまくいったのかとかについては、注意が必要かもしれません。 
でも読み進めるとちょっと違う気もしてきました。
なぜかというと、集客の目的が普通は当たり前なのですが「儲ける」につながるから、やっているということです。でも一般的勤務医の場合、集客して、自分の専門性を高めても
そりゃぁ自分の手術症例が多くなったり、それで学会発表はできるし、他の医師からとかメーカーの方からの目線は変わるかもしれないけど、それによる金銭的メリットは少ないのではないかと思います。

自営の方がこんな記事みたら”馬鹿だ”と思うかもしれませんが、日本での一般的な勤務医的価値感がまだ変わっていないかぎり、この流れでまちがっていないかなと思います。

”日本での”と書いたのは、外国人医師と話していてその状況は違うことも知りました。手術症例のインセンティブがあたりまえのようにあるのです。大学病院勤務でも1億越すドクターがいるのです。これなら、その仕事に集中してもいいでしょう。もちろん少ないとは思いますが、日本でもインセンティブが働いている病院であるなら、医師の集客能力、要るでしょう。でも、そうでないなら。そうでないなら、ここに力を注ぐのはアホらしいことに気づいた場合、勤務医師を続けながら、他の、自分でコントロールできる収益源を確立して注力したほうがいいかもしれない。

と思うわけです。 あー脱線しました。話を戻せば、自分もそういった方向性をもう少しすすめないといけないと思っての病院見学だったのです。でも今までの仕事を続けつつ、質も維持しつつというのは正直大変だなぁとは思います。


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